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17弦(の糸)について、演奏について ご参考まで!

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私は、自分の17絃を自分の手に合うように調節しています。
 メリットととしては、17絃がラクに弾けるようになります。
デメリットは、他の人の17絃をお借りする場合は、やはり弾きづらいです。

お箏でも、三味線でも、自分の楽器は手に慣れていますが、人様の楽器をお借りすると、やはり難しいですね。
17絃は特にそう感じます

糸と糸との幅の広さ・糸の太さが、普通の手の大きさの女性にはきついのではないかと思います。

ある程度、お箏が弾けるようになると、合奏曲などで17絃が必要になります。
先生になって、お弟子さんと合奏する必要が出てきたり、名取さんになって三弦を始めるかなという頃に、17絃の低音にあこがれました。

箏・三弦、17絃、習う側と、楽器の関係
相性がよい、とか悪いとか合う、合わないと言われたり、それは指の長さ、手の大きさ、腕力、握力、体力、そういったものが、大変関係していると思います。

私達は、いつも先生の言うとおり、素直に習ってきましたから、習うことに慣れていて、楽器に自分を合わせようと努力してしまいます。

その結果、17絃は体の大きな手指の長い、腕力の強い人は問題なくて、小さめの方々は、大変苦労が絶えません。

三弦の場合は、昔の日本人は平均身長が成人男性でも150センチくらいだったそうですから、女性も問題ないですが、先生に調弦してもらう箏に比べて、三弦は自分の耳で音の高さを作ってゆくわけですから、難しいですね。

 でも、みなさま お稽古続けてゆきましょうね!
扱いに慣れる!扱えるようになる!ということが大切です。

では、17絃の糸のことを考えてみましょう。

17弦の糸は、数本づつ 糸の太さが違えてあります。
 吉崎克彦 著「十七絃のための教則本」に「箏の場合は十三本の絃は同じ太さですが、十七絃は均一ではありません。通常は一がもっとも太く、17まで徐々に細くなっていきます。

☆一般的な目安は次のようになっています。

 一 =75 又は 80 
 二 = 75 

  三 = 70

 四 = 65

 五 = 60 

 六 = 55
七 と 八 = 50

 九 と 十 = 45

 1 と 2 = 40
3 と 4 = 35
 5 、6 、7 = 30 (以上 吉崎克彦さん著)

 年齢や手の大きさ、握力なども考えると一~三 の絃の太さを 70又は、60くらいでもOK 
ではないでしょうか
 

全体にマイナス5~10の太さでも、良いのでは、と
肩の痛みあり、手の力のない 私樋口は思います。
 お琴屋さんにきくと「(一の糸が)60(7の糸が)25」くらいの
 組み合わせも、多いそうです。

 

太いほど弾くのに体力もいるし、力もいるし、大変だと感じます。
男性や若者は、すごい音量で バリバリ弾いていて、うらやましいです。
17弦は、全力をぶつけられます。

力が余っている方は、是非 取り組んでみてください、…ではなくて、17弦が大変だなあ、と感じている方は、糸を細い組み合わせに 換えてみてはいかがでしょうか

弾くのが、とっても楽に なりますよ。

糸は もちろん 絹糸か最高ですが、演奏会が糸締め後 一週間以内ならともかく、その後の事も考えると、テトロンのほうが 長期間使用できます。

また、17絃の糸は1本づつバラ売り可能です。(1本2500円くらいから)

  (先日 友人の17絃を弾く機会があり、あまりにラクに弾けるので良く見ると一から九まで、ナイロン糸。十から7までテトロン糸という組み合わせ。なにしろ20年前に買ってから、糸替えしていないそうですが、琴屋さんが気をきかせて、手に負担が掛からないように、低音部分を弾力のあるナイロン糸にしてくれたらしいです。)
 糸の種類は、自分がどんな演奏をしたいか どんな音を出したいかで決めましょう。ナイロン糸はやわらかい分、手に負担は掛からないかもしれないが、その分、ボワンと近くで大きな音がします。テトロン糸は、かたいかも でも、ホールいっぱいにとどく、音の立ち上がりが派手。以上の化繊糸は、長期使用できます。
(絹糸は、独奏用に。長期使用には耐えませんが)
 それから、鳴らないなあ、と感じたら、糸が 緩んできたのだと思います。

★演奏会の一週間前くらいには、少し ピンを締めてみてください。
驚くほど 良くなるようになりますよ。

それから、これは自分でやったのですが、琴(筝)の糸から糸までの幅を計って

それと同じ幅に★(★参照)17弦のピンをゆるめて、竜角の中心から印をつけて金属のやすりで竜角に糸の道をつくりました。

 ★手の小さな方は、箏のオクターブは間に6本ですが、17絃は(ド~ドまで)8本になります。
ですから、17絃の糸の間隔はもっと狭くても良いと思います。★

  そこに17弦の糸を乗せたので、17弦と琴(筝)の糸の幅が同じになったので、大変演奏しやすいです。

 私達は演奏する時、箏を弾いて、次に17絃、また、お箏・・なんて場合もあります。

糸の間隔、糸の太さも張りの強さも違いますから、大変です。
17絃を弾いた後は、お箏の糸間違いばかりしてしまう時があります。

17弦の 糸と糸の間隔が、糸の太さで、だいぶ違うことに気がつきましたので。

自分の17弦が弾きづらいと感じる方は、チャレンジしてみては
★注意点は、竜角の長さをはかり、真ん中(九の絃の場所)から位置を決めること!
 次は、八 と 十 の位置を決めてゆきます。・・・
そのときにまず、色鉛筆で全部の位置に印を付けて、バランスを見ます。

楽器やさんに聞いたのですが「17絃のサイズは、多種多様なので、
幅・ピンの位置なども さまざまです。竜角の長さもいろいろです。」

ピンから 竜角への 絃の角度がつきすぎると、糸切れが心配ですし。
直した後の柱の並びも、チェックしてくださいね。微調整は必要です。

 柱の写真を見てください

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下の左は、箏の柱

右は、普通の17弦の柱

真ん中が、オススメの小さめの17弦の柱
音の立ち上がりがよく、竜角から柱までの 角度がきつくならないので、
手の小さい方 弾きやすくなりますよ。(糸の張りが、強くなりすぎないように、気をつけてね!)

上は、17弦用の巾柱
17弦の磯に 柱が、がたつかないように、添え板を取り付けてない方は、2つ用意して、一と17の糸に 付けてもよいかも
もちろん、甲の角に 支え部分がくるように
注意して下さい。

★「17絃の糸について」のところで書きましたが、
自分で糸の幅を調節した場合
17番目の糸が、だいぶ中寄りになった場合は、この巾柱にあたる柱は、
必要ない場合もありますよ
柱が すべて 筝の甲の上にちゃんと並ぶからです

★おまけの話
私が初めて17絃を弾いた30 年前は、17絃という名前の18絃が
たくさんありました。それは、一をH(シの音)、C(ドの音)にとる曲が続いたり
また、シャープやフラットの付く音が曲中に出てきて、押し手で作る音ではなく
ちゃんと1本作っておきたいなど、18本あったほうが便利でしたから。
(必要ない時は、柱をかけないでおきます。)

17本用の大きさに、18本の絃が並べば、もちろん、糸と糸の間は
狭くなり、手の小さな私は、ラッキーでした!(ラクに弾けてね。)
逆に、
17本用の時は、四苦八苦!和音がつかめない、オクターブは届かないし。

 ★ですから、自分の手が自由に使えるような工夫をして、
自分の十七絃で思う、存分楽しんでください!

注意★ 糸の張りの強いものは、立ち上がりの音は良いかもしれませんが、
ひじ・肩・背中・腰が痛くなったら、少しゆるめてみましょう。
使いながら、自分には、
どのくらいの強さが弾きやすいのか、調節しましょう。

 一般的にはお爪は、肉厚のもので、(大きいものが)
太い強い糸でも、腕手指に強い衝撃が、薄いお爪よりは、少ないので、
17絃をはじめるときは、使ってみてください。
細い指の方は、
輪のあたりを、少し削って お爪輪が指にぴったりくるように、工夫しましょう。
又は、肉厚で、サイズは「小」でも、
自分の指、手に合っているもの
曲によって、出したい音によって、選び、

また、手腕に衝撃の大きい、ダメージの大きいものは避けましょう。

☆新しいお爪をいきなり使うと、角が折れたり、糸が(筝)切れたりしますので
古い(使い古した)お爪を参考に、角を細かい目のやすり(紙・サンドペーパー)
で 少し丸くします。また古いお爪は、角を しっかり出るように、削るなど
手をくわえ、自分に合ったお爪で 演奏しましょう。

☆曲にもよりますが、欲しい音の出せる、自分に合うお爪をみつける努力もしましょう。

17絃の第一人者「菊地悌子先生は、」日本三曲協会の会報99号に
「お爪も17絃用の大きいものが売っていますが、お勧めできません。
お筝のお爪ですこし根が厚いくらいの方が、小回りも利きますし
音も良いと思います。」とおっしゃっています。

<17絃の演奏について>
 音(糸)が飛ぶときむずかしいですねー

奏の時も、合奏のときも、音楽的な音を出しているか良く耳で聞きましょう。
その上で、楽譜に指示がなくても、弾きづらいところは、両手を使って工夫する
などの対応も必要です。
最悪の場合・どうしても弾けないところは、音を減らす指づかいを考えるなど、
音楽的な日ごろの勉強の成果が発揮されますね。


17絃は、指先の感覚が、お筝とまったく違いますね。
形は似ているのだけれど、弾いてみると、そのギャップに戸惑います。
爪が弾く前に糸に触ってしまうなど、雑音の多い人は、
その音が倍になって響きますから、筝よりも 弾く手順をゆっくり練習しましょう。
その上で、音楽的な音を出せるように、してゆきましょう。
私は、「まったく違う楽器だと思って、習いながら一つ一つ学んでゆきましょう。」
と、お弟子さんに話します。

なんといっても、調弦を決めるのも難しいですね。
私は、真ん中の八(Cド)、九(Dレ)から調弦します。そして、筝のように
完全4度・完全5度と和音でとって行き、オクターブで合わせ
、最後に低音部分(一から四くらい)を、真ん中の音から音をもらって、やさしく弾いて合わせます。

あわてて、ガンガン音をださないこと!低音ですから、弾いた瞬間には
高めに感じますが、そのあと下がります。1つの音を余韻まで良く聴くと
調和のとれた調弦となり、楽器が大変良く鳴ります

筝と同じになる音は、筝からもらう(逆の場合もあります)なども合奏するときは大切です。
尺八との合奏は、尺八から、筒音をもらいましょう。

2022.5.8